
とある小学6年生の女の子が、美術の課題の【調べ学習】で、わたしのことを取り上げてくれました。
世の中には歴史的な芸術家がたくさんいる中で、わたしを選んでくれたこと。
感受性豊かで素直な子どもに興味を持ってもらえたこと。
そして、わたしの想いが小学生に届いていたこと。
それが本当にうれしくて、同時に、原点に返らせてもらった出来事でした。
彼女は、昨年の夏休みに大阪のフラワー教室で開催した子ども向けイラストワークショップに参加してくれた女の子です。
さらに、4月の銀座個展にも来てくれて、貴重なお小遣いでオリジナルノートまで買ってくれました。うれしすぎる……涙。

学校の課題テーマは「風景画」。
わたしの作品『夏の思い出』を選んでくれました。

私のことをこんな風にまとめてくれました。
ひろみさんは、この絵を描いたとき、抗がん剤治療中でした。それで、旅行に行けませんでした。けれども”旅行に行けない時でも、心はどこまでも自由に旅ができる”という想いを込めて描いた絵だそうです。それにすべてが”生きる喜び”を象徴しているそうです。
…略…
この絵を見れば、体験できなくても心は旅行できると思ったのではないか。
…略…
ひろみさんは、この作品を描くことで、自分が自由じゃなくても、心はどこまでも自由と言うことを思って描いたと思う。
私はさわやかな波を感じられました。
これを読んだ時、胸がいっぱいになりました。
もともと絵を描くことは好きでしたが、今のように発信を始めたきっかけは、抗がん剤治療中の病院の待ち時間でした。
思うように動けない毎日。
先の見えない不安。
そんな中で、もう一度絵を描くことが、心の癒しになっていったのです。
旅行に行けなくても、心は自由に旅ができる。
絵の中なら、どこへでも行ける。
あの頃のわたしにとって、絵は「希望」そのものでした。
ありがたいことに、今は体調も落ち着き、元気に活動できています。
だけど、日々目の前のことに必死になる中で、あの頃の気持ちを忘れそうになる時もあります。
わたしが絵を描く理由。
わたしが届けたいもの。
それは、少しでも誰かの心が軽くなること。
同じように苦しい時間の中にいる人や、そのそばで支えている人に、小さな希望を届けること。
Mちゃんのノートを読んで、そんな自分の原点を、もう一度思い出させてもらいました。
そして、こんな質問をしてくれました。




理由は、濃い色は後から足せばいくらでも濃くなるけど、そのあとなかなか薄くしづらいから。
そして旅先の思い出は、そこに人がいて旅の思い出になるから、人の気配は描きたいと思って、いつも描いています。
普段は“心のままに”描いているつもりでした。
でも改めて聞かれて考えてみると、自分の「好き」がたくさん見えてきました。
海が好き。
特に、透明感のあるエメラルドグリーンの海が好き。
太陽の光でキラキラ反射する海も好き。
朝日や夕日が映るグラデーションも好き。
さらに、描く順番にも自分らしさがありました。
わたしは「好きなものから先に描く」傾向があるみたいです。
食べ物は好きなものを最後に取っておくタイプなのに、不思議です。
好きな色。
好きなモノ。
好きな景色。
それらでキャンバスを埋め尽くしたい。
生きていると、四六時中、自分の好きなものだけに囲まれて過ごすのは難しいこともあります。
家族とは好みが違うこともある。
仕事では、自分色ばかりを出せないこともある。
だけど、キャンバスの上では、自分だけの世界を自由に描けます。
そして、その小さな作品を日常の片隅にそっと置くことで、「自分に戻れる場所」をつくれる気がしています。
元気の泉みたいに。
わたしの作品は、小さめサイズのものが多いです。
これまでずっと、それを「自分の自信のなさ」だと思っていました。
でも違ったのかもしれない。
無意識の中にちゃんと理由があって、誰かの日常にそっと寄り添いたかったのかもしれない。
小学生のMちゃんに、そんな自分の気持ちを発掘してもらえた気がしました。
ありがとう、Mちゃん。
神戸 トラベルイラストレーター えやひろみ
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