今年も綺麗な桜を満喫しました。
桜の木を見上げると、元気が出ます。なんでこんなにも力をもらえるのだろうと思っていたのですが、
桜は、咲いている期間が短い分、エネルギーが高く、浄化力があると聞き、納得しました。
夜桜も綺麗で好きです。街灯に照らされる桜は幻想的で、二ヶ所わたしのお気に入りの夜桜ポイントがあります。
夜中に徘徊(夜のウィーキング)して見に行っていたのですが、
「夜は邪気があるからあまりオススメしないよ、見るなら早朝ウォーキングがいいよ」と教えていただき
それから夜の徘徊はやめました。
確かに夜よりも朝の空気の方が清々しくて、桜から元気をたくさんもらえる気がしますよね。
あれから丸6年経ちました
桜を見て毎年思い出すことがあります。
娘の小学校入学式。
入学式って当然のようにやってきて当たり前のように誰でも参加できるものだと思い込んでいました。
6年前の春、私の乳がんがわかりました。
当時長女は幼稚園年長さん。
ちょうど娘のランドセルを検討する、いわゆる「ラン活」の時期。
その時のことを「リリー・オンコロジー・オン・キャンバス がんと生きるわたしの物語」というコンテストに
絵と共にわたしの想いを添えて応募したエッセイがあります。
残念ながら入賞しませんでしたが、この気持ちは残しておきたいと思い、ここに記録したいと思います。
(以下コンテストに応募したエッセイをそのまま載せます)
ランドセルに夢詰め込んで
幼い娘たちがまだ6歳と5歳の時、私は乳がんになった。
ガン宣告を受けた次の日、家族4人で、翌春に小学校入学を控える長女のランドセルを買いに行った。嬉しそうにランドセルを選ぶ長女。
「この子がランドセル背負って入学する頃、私は生きてるのかな···」
完全に弱気になってしまった。
私がどんだけ泣いても暗い顔をしても、家族は悲しい顔一つ見せず、笑顔で接してくれた。
こんな幼い子たちを置いていくわけにはいかない。小学校入学どころか、孫の顔まで絶対見てやる!腹を括り治療に臨んだ。
だけど、
どんなに前を向こうとしても、悲しい気持ちが押し寄せてきた。
いつも娘たちに怒ってばかりのママ。
罰が当たったのかな。
だから病気になったのかな。
そんなことばかり考える日々だった。
抗がん剤でしんどいのに頑張ってトイレ掃除をした。
そしたら5歳だった次女がトイレの目前で間に合わずびしょびしょに漏らした。
せっかくトイレ掃除したのに···
「病気でしんどいのに頑張ってトイレ掃除したんよ!死んでほしいの?」
私は大声で怒鳴った。
「ごめんなさい、ごめんなさい···」
泣きながらトイレを拭く5歳児。こんなこと言いたかったわけじゃないけど、気持ちのコントロールができなかった。
その後2回再発をした。
その度に自分を責めた。
娘に怒ってばかりの母親は生きる資格がないと。
でも、どんなに怒ってもママ大好きと言ってくれる娘たち。
だから自分を責めるのをやめた。
頑張るのもやめた。
頑張らない代わりに楽しむことにした。
自分を大切にすることを覚えた。やっと気づいたのかと思われるかもしれないけど、気づけたことはすごいと思う。
娘たちはこの春、小学5年と4年になる。今でも長女のランドセルを見ると込み上げてくるものがある。ランドセルにカラフルな夢をいっぱい詰め込んで、生きる力をつけて健やかに自分の道を歩んでほしい。そして私は彼女たちの将来を絶対に見届けてやる!
(エッセイは以上です)
想いの重さ
そんな娘たちもこの春、小学校6年生と5年生になります。
長女はいよいよ最高学年。
重い重いと言いながらランドセルを背負って登校できるのもあと一年。
きっとわたしの想いも詰まってるから余計重く感じるのかな。
元気に育ってくれている娘たちの姿と今のわたしの姿を、6年前のわたしに見せて安心させてあげたいです。
日々に感謝
子育てや仕事、色々なことでこれからも悩むこともあるかもしれません。
一生懸命になりすぎて大切なことを忘れてしまうこともあります。
元気に過ごせていることがどれだけありがたいことか。
忘れそうになった時は、このエッセイを思い出して、原点に戻りたいと思います。
日々の暮らしに感謝して……
神戸 トラベルイラストレーター えやひろみ