
見方を変えると少し世界がおもしろく見えるお話。
先日、金沢の21世紀美術館へ訪れた時のこと。あるフレーズが目に飛び込んできました。
「すでに芸術は路上に存在している」
その言葉に、思わず立ち止まりました。
ニュアンスは少し違うかもしれませんが、わたし自身も似たような想いを込めて描いた作品があります。
オラクルカードや、オリジナルノートの表紙にもなっている【奇跡】という作品です。

つい周りの美しい景色ばかりに目が向き、誰かを羨ましく思ってしまうこと、誰しも一度は経験あるかと思います。でも、あなた自身もその美しい景色の一部なのだということを伝えたくて描きました。
「すでにあなたは存在している」
それだけで十分に尊いのだと。
そうやって作品を描いているわたし自身も、もちろん完璧ではありません。
周囲の目が気になったり、視野が狭くなったり、家族にイライラしてしまう日もあります。
ある日のこと。
キッチンカウンターの上に、夫が飲んだ焼酎の蓋が数日間置きっぱなしになっていました。
「また捨ててない……(ため息)」
いつものようにそう思ったのですが、ふと美術館で見たあの言葉を思い出しました。
「すでに芸術は路上に存在している」
もしこの蓋を、アート作品を見るような目で眺めてみたらどうだろう。

そう思って観察してみると、不思議なことに少しだけイライラが治まりました。
夫はもちろん、アート作品を作るつもりで焼酎の蓋を置いていたわけではありません。
当の本人にとっては、ただの蓋。そして処分せずに置きっぱなしにしているだけ。
けれど、見る側が変わると景色も変わる。
そんなことを感じた出来事でした。
noteでは、そのとき、わたしがどんなふうに蓋を観察し、どんな気持ちの変化があったのかをもう少し詳しく綴っています。
神戸 トラベルイラストレーター えやひろみ
