
10年以上ぶりにグアムに行ってきました。前回訪れたのは、長女がちょうど一歳になった頃。次女をお腹に宿していたときでした。子どもを連れて初めての海外だったのですが、出会う人たちに、とても親切にしてもらえて「子どもにとても優しい国だなぁ」と感じた記憶が残っています。
今回、二度目のグアムは、夫婦二人の旅。あまり予定を詰め込みすぎず、空いた時間に絵を描きながら、少し大人の時間を楽しむ旅になりました。
青い海と風のリズムに包まれて

街に漂う陽気な音楽やカラフルな建物。
グアムの中心地も、こぢんまりとしながらも明るいゆったりとした時間が流れていました。
海辺では、椰子の葉がザワザワ風に揺れながら、波の音に包まれる。
目の前に広がる青い海と空。潮風を肌で感じ、風と波の音をBGMに飲むトロピカルカクテル。
心も体も思い切りリフレッシュできました。
旅の醍醐味と言えば色々ありますが、今回は「旅先で出会う一体感」のお話を。
空の上で生まれた小さな一体感
行きのフライトでのこと。
機長のアナウンスで、「今日のフライトが定年を迎える私のラストフライトです」との言葉。
その瞬間、機内は温かい拍手に包まれました。
見知らぬ人たちと一緒に同じ想いを共有する。
その場に居合わせたことが、なんだかとても幸運に思えました。
思い返せば、数年前に家族で行った石垣島へのフライトでも、似たような体験がありました。
悪天候で着陸が難しいとのアナウンス。
「引き返すかもしれない」という言葉に、機内は静まり返りました。
みんなが心の中で「どうか無事に着陸できますように」と祈っていたと思います。
二度チャレンジするも着陸が難しい様子。
最後の挑戦で見事に着陸成功。
その瞬間、機内に響いた大きな拍手。
みんなの想いがひとつになった、あの一体感は今でも忘れられません。
旅の中で見つけた、心のつながり
旅の途中、ほんの少しの時間だけ交わる他人同士。ひとりだけど一人じゃない。
「ひとつの空気」を共有している瞬間があります。
それが、旅の中でわたしが一番好きな時間かもしれません。
日常の中では気づきにくい心の動きを、旅先では鮮やかに感じられる。
そしてそれが、人生の記憶に残る「特別な瞬間」になる。
わたしが旅をする理由は、きっとそんな小さな奇跡を味わいたいからなのだと思います。
神戸 トラベルイラストレーター えやひろみ
