
オーストラリア・ヴィクトリア州第2の都市、Geelong(ジーロング)を訪れました。
ヴィクトリア州といえば、ガイドブックも情報も豊富なメルボルンが有名ですが、ジーロングについては、正直あまり情報が多くありません。わたしが、実際に歩いて、泊まって、感じたことを、この旅の記録として残しておこうと思います。
メルボルンから電車で1時間ほど。
少し足を伸ばすだけで、観光地とはまた違う、穏やかでローカルな空気に出会える街でした。
メルボルンから約1時間。気軽に行ける港町


Geelongは、メルボルンから電車で約1時間ちょっとの場所にある港町。
もしメルボルン旅行を予定しているなら、日帰りや1泊でも立ち寄ってみると、ぐっと旅の景色が広がると思います。
賑やかな都市とは違い、時間がゆっくり流れているような感覚。
「観光する」というより、「その街で過ごす」ことが心地いい場所でした。
1月のオーストラリア南東部の気候
わたしが訪れたのは1月初旬。
南半球に位置するオーストラリアの1月は夏。
だけど、オーストラリア南東部、特にメルボルン辺りは、一日に四季が訪れるほど、気温差が激しく変動すると言われています。
わたしが訪れた時はまだ初夏手前のような気候で、少し肌寒く、上着があると安心な気温でした。
脱ぎ着しやすい服装をおすすめします。
日本からGeelongまでの行き方|空港からは高速バスが便利


日本からは、成田〜メルボルンの直行便を利用しました。
メルボルン空港からGeelongまでは、“GULL(ガル)”という高速バスで移動。
バス停は空港ターミナル3にあり、目印は「MELBOURNE」のモニュメント。
チケットは日本で事前にネット予約し、当日は予約画面を運転手さんに見せるだけでOKでした。
今回の宿泊先はGeelong駅から徒歩8分ほどだったので、下車もGeelong駅で。
所要時間はおよそ1時間半。車窓を眺めながら、旅気分を楽しめました。
e-SIMは事前準備がおすすめ|使ってよかった通信環境
日本を発つ前に忘れてはならないのが、e-SIMの準備。
昨年グアム旅行でも使って良かったWorld eSIMを、今回も利用しました。
選んだのは
・オーストラリア eSIM 10GB/15日
・3,100円(25%OFFクーポン利用で2,325円)
カフェやホテルではWi-Fiが使える場所も多く、実際の使用量は3GB未満。
短期滞在なら、3GB・7日 1,280円プラン(25%OFFクーポン利用で960円)でも十分だったかもしれません。
暮らすように泊まる|ホテルはQuest Geelong Central


持参することをおすすめします。
今回の滞在先は Quest Geelong Central Hotel。
5泊6日と少し長めの滞在だったため、キッチン付きの部屋を選びました。



キッチン、オーブン、電子レンジ、食洗機、調理器具、食器類まで完備。
さらに、洗濯機・乾燥機も部屋の中にあり、ランドリールームへ行く必要もなし。
清潔感があり、フロントスタッフもとても親切。
「またGeelongに来るなら、迷わずここ」と思える、暮らすように泊まれる快適なホテルでした。
まずは街を知るお散歩から|Geelongのウォーターフロント

街に着いてまず向かったのは、ウォーターフロント。
朝から散歩やジョギングを楽しむ地元の人が多く、観光地というより“日常の風景”が広がっていました。

穏やかなハーバーにはヨットが並び、以前訪れたバンクーバーの景色を少し思い出すような雰囲気。
海が身近な神戸に住むわたしにとって、とても親近感の湧く場所でした。

そして、このウォーターフロントで何度も目に入るのが、色鮮やかな人型の彫刻たち。
「ジーロング・ボラード(Geelong Bollards)」です。
街の歴史を語る、カラフルな案内人「ジーロング・ボラード」



Geelongといえば、ウォーターフロント沿いに並ぶ「Baywalk Bollards(ベイウォーク・ボラード)」が有名です。

きっと誰もが思わず、ボラードと一緒に記念写真を撮ってしまうのではないでしょうか。
そんな存在感を放つのが、このカラフルな彫刻たち。
ボラードは、港に使われていた古い木材を再利用して作られた、人の形をしたアート作品。
現在は100体以上が、Rippleside Parkからウォーターフロント、Botanic Gardensまでの海沿いを静かに見守っています。
それぞれが、ジーロングの歴史に関わった人物や時代を表現しており、先住民の家族、探検家マシュー・フリンダース、1930年代の水着姿の女性たちなど、一体一体に物語が込められているそうです。
このボラード・トレイルは全48スポット。
片道約2時間ほどの散策コースで、歩きながら街の歴史に出会えるのも魅力です。
歩くたびに出会う、街角のアートたち

アート好きの人なら、きっと心が弾むはず。
Geelongの街を歩いていると、建物の壁や路地裏、ふとした曲がり角の先に、ウォールアートが次々と現れます。


色鮮やかで、ユーモアがあって、少し挑戦的。
どれも思わず立ち止まり、写真を撮らずにはいられないものばかりでした。


目的地を決めずに歩いているからこそ、「こんなところに!」とアートに出会えたときの喜びは、まるで旅の途中で宝物を見つけたような感覚。
ぜひ、あなただけのお気に入りの一枚を探しながら、街歩きを楽しんでみてください。
Geelongの歴史を知るなら外せない|National Wool Museum

Geelongに来たらぜひ立ち寄ってもらい所があります。
それはNational Wool Museum(ナショナル・ウール・ミュージアム)。オーストラリアと羊毛(ウール)の深い関わりを伝える、国内で唯一のウール博物館です。
1788年に羊がオーストラリアへ持ち込まれて以来、羊毛産業は約200年にわたり、国の経済や農業、そして「良質なウールの産地」という世界的評価を支えてきました。
なかでもGeelongは、1835年に羊の牧畜が始まり、1868年には毛織物工場が誕生。
長い間、「世界の羊毛の中心地」と呼ばれてきた、羊毛と深い縁を持つ街です。
かつて世界のウール産業を支えたGeelongですが、20世紀後半になると状況は大きく変わっていきます。
化学繊維の発達により、衣料の選択肢が広がったこと。
さらに、生産や加工の拠点がコストの低い海外、特に中国へと移っていったことにより、Geelongの羊毛産業は次第に縮小し、多くの工場が役目を終えました。
それでも、この街は「失われた産業」をただ消してしまうのではなく、その歴史を文化として残す道を選びました。
かつてウール倉庫だったこの建物は、保存・再生され、今ではオーストラリア唯一の総合的なウール博物館として、多くの人を迎えています。


当時としては画期的な採光や通風を取り入れた建築で、今も重厚なブルーストーンの外観が印象的です。
栄えた時代も、衰退の背景も、そして未来へつなぐ選択も、National Wool Museumは、Geelongという街そのものを静かに物語っている場所でした。




館内では、羊毛産業の歴史やウールができるまでの工程が、実際に使用された機械や、イラスト、写真を交えてわかりやすく展示されています。


また、当時のオーストラリア先住民の生活文化を再現した展示もあり、この土地が歩んできた時間を立体的に感じることができました。



併設されているミュージアムショップもおすすめです。
上質なウールの色鮮やかなセーターや防寒具、オーストラリア製の雑貨などが並び、見ているだけでも楽しく、ついつい長居してしまいます。
感性に触れる場所|Geelong Gallery ジーロング・ギャラリー

滞在していたホテルのすぐそばに、Geelong Gallery ジーロング・ギャラリー(美術館)がありました。
「せっかくなら」と、ふらりと立ち寄ってみました。
1896年に設立されたGeelong Gallery は、オーストラリアを代表する最古の美術館の一つです。
館内には、オーストラリア国内外の絵画をはじめ、紙作品、彫刻、装飾美術など、6,000点を超える貴重なコレクションが収蔵されています。
驚いたのは、入館料が無料ということ。
これほどの作品群を、気負わず、日常の延長のように楽しめるのは、海外ならではの文化だなと感じました。

重厚感のある建物に足を踏み入れると、一瞬、ヨーロッパの街に来たのかと錯覚するような空気感。
静かで落ち着いた空間の中で、自分のペースでアートと向き合える時間が心地よかったです。
こちらもミュージアムショップが充実していて、アートブックや雑貨を眺めているだけで、つい時間を忘れてしまいます。
この旅で、すっかり「ミュージアムショップ巡り」が趣味になってしまいました。
旅の楽しみは、やっぱり「食」

旅といえば、やっぱり食。
Geelongは、シーフードを存分に楽しめる街です。

ウォーターフロント沿いにはシーフードレストランが並び、ムール貝、ホタテ、牡蠣、イカ、エビなど、海の幸がとにかく新鮮。
定番のフィッシュアンドチップスも外せません。
テイクアウトして、海を眺めながら芝生で食べるのもおススメです。

わたしはレストランで、イカのフライとスパークリングワインを。
「噛まなくてもいいのでは?」と思うほど柔らかくて、感動的なおいしさでした。
暮らすように食べる、Geelongのスーパー時間

今回はキッチン付きのホテルに滞在していたので、スーパーで食材を買い、部屋で食事をする日も。
野菜やチーズ、ラム肉がずらりと並ぶ売り場は、見ているだけでも楽しく、つい、あれこれ買ってしまいました。



特に印象的だったのがラム肉。分厚いのにとても柔らかく、独特の臭みもまったくありません。
油をひかずにフライパンで焼き、塩こしょうを振るだけ。
シンプルなのに、驚くほどおいしくて、すっかりラム肉の虜になりました。
近郊スポット|グレートオーシャンロード

Geelongに来たら、ぜひワンデイトリップで訪れてほしいのがグレートオーシャンロード。
Mr.Childrenの「Tomorrow never knows」のミュージックビデオのロケ地としても知られる、絶景ルートです。
ツアー参加を検討したのですが、調べてみるとメルボルン発着のものがほとんどで、しかもなかなかのお値段。
そこで今回は、Geelong駅から出ているローカルバスに乗り、グレートオーシャンロードのひとつ、アポロベイを目指すことにしました。
片道2時間ちょっと。
バスの車窓からの景色も楽しく、なによりお財布にやさしい。往復で11.4AUD。



アポロベイで目にしたのは、ビッグウェーブが次々と押し寄せる、真っ青な海。
今年も人生のいい波に乗れそうだなと縁起よく感じました。



雲ひとつない空は、海との境界線がわからなくなるほどで、この景色を前にして、「あぁ、今わたしはオーストラリアの地に立っているんだ」と、実感が込み上げてきました。


バスの本数が少なく、滞在時間は約3時間ほどと短めでしたが、海沿いを散歩し、風を感じ、地ビールと共にフィッシュアンドチップスとムール貝を味わい、海沿いに立ち並ぶおしゃれなショップにも立ち寄って。


限られた時間でも、十分すぎるほど満たされる時間でした。

Geelongは、こんな人におすすめ

オーストラリア南東部といえば、メルボルンを訪れる人が多いかもしれません。

けれど、都会の喧騒から少し離れ、ちょっぴり落ち着いた中でアートと自然を味わいながら、“暮らすように旅をする”時間を楽しみたい人に、Geelongはとても心地いい街です。


派手さはないけれど、歩くほどにじわじわと好きになる。そんな魅力が、Geelongにはありました。

こんな人におすすめです。
- 派手な観光地よりも、その土地の空気感を味わいたい人
- アートや街歩き、食をゆっくり楽しみたい人
- メルボルン旅に、もう一歩深みを足したい人
オーストラリアを訪れる機会があれば、ぜひGeelongにも足を延ばしてみてください。
きっと、少し人と違う、心がほどけてワクワクする豊かな旅の記憶が残るはずです。
神戸 トラベルイラストレーター えやひろみ
